運営・協賛
(白秋のまちの音楽会)
会 長 立 花 民 雄
「海道東征」演奏会に寄せて
日本は、世界最古の国です。しかしながら、その起源、生い立ちは、戦後80年の間にほとんど忘れ去られています。
現存する日本最古の歴史書「古事記」「日本書紀」には、その基が書かれています。初代神武天皇の日向から大和を平定してゆく東征の物語で、神話、伝説が歴史へとつながる世界の中で唯一の単一王朝国家です。紀元前660年のことと言われています。
北原白秋は、1940(昭和15)年の皇紀二千六百年奉祝芸能祭に向け、日本文化中央連盟より委嘱があり、特別に作成した詩編の一つが「海道東征」です。また、この作曲において、「当代稀にみる芸術良心の持ち主であり、高邁廉潔の信時潔氏を得た。」と、北原白秋はひそかに感謝以上のものを込めています。
こうして壮絶な詩作が始まりました。この「海道東征」を北原白秋は、「神武紀の勅語、ご遺徳を通じ肇國の蒼古より橿原宮に及び、之に宏遠なる大海洋思想を配し、かの黒潮とともに発展してやまぬ大和民族の進取性をも歌いあげようとした。」と記しています。
また、眼病を患い、読書もままならぬ中、古事記、日本書紀、祝詞、風土記、宣命などの資料を探し出し、家族に一字ずつ習字帳大に書き写してもらい、口述しながら、「見えないゆえに記憶の中で推敲する作業を繰り返してきた。じりじりする中、癇癪も抑え、詩興を損なわないように努め、白秋平生の主調である、万葉以前の声調を極度まで昂揚しようとした。すなわち、古典調の連鎖で荘重体、蒼古調、荘厳相である。」と…。
日本人のアイデンティティ、精神(こころ)魂をここ柳川から歌い続け、日本に生まれた喜びと誇りに思いを馳せたいと願っています。
皆様方のご理解ご支援、並びに、ご協賛を切にお願い申し上げます。
協賛のお願い
北原白秋の幻の大曲「海道東征」を柳川において歌い続けていく機運を醸成すると伴に、芸術文化の更なる振興にも繋げていくため、柳川よりこの「海道東征」を諸所に発信し、多くの方々に聴いて歌ってもらえるような輪を構築したいと思っています。
何卒、皆様のご協力の程、よろしくお願いいたします。